概念と哀愁

notion & emotion

秀志小ネタ【ss】

 

【約束】

 

「さて、全て片付いたな」

 

男は天気でも告げるように、しかし明確な意思を持ってそう呟いた。

 

1人の女に。

 

青い空、白い雲、舞う粉塵とけたたましいサイレン。

 

なのに耳に響くのは男の甘く低い声だけ。

 

(嗚呼、今斜め後ろを振り返ったらきっと…おしまいだわ)

 

確かに、確かに全てが片付いたらという話はしたわ。そう、いつだったか。恐らく事件の前ね。だって事件中にそんなこと考えられないし出来ないじゃない。

別に真剣に話し合ったわけじゃないのよ。

「全て片付いたらね」とお約束のようなセリフに「二言は無いな?」と返してきたような気がするわ。ええ、多分。私の曖昧な記憶を辿るとそう言った気がするわ。二言なんて言わせてくれないくせに。できればすっかりと忘れてしまった方がよかったんじゃないかと後悔しているのだけれど。

 

ほら見たことか。彼が絡む事件はスケールが馬鹿みたいに大きいじゃない。

かつての相棒(今も相棒だと彼は言うけど)江戸川コナン、もとい工藤新一あるところに事件あり。

事件があるから彼がいるのか彼がいるから事件が起こるのか、今となっては後者だと言う人がほとんどだ。探偵でありながらなんという皮肉だろう。

さりとて彼がいないと事件が解決しないことも事実なのだから『名探偵』というのも妙な肩書きである。

そんな彼に巻き込まれるように挑むことになった一件は、ITテロによる爆破事件となりビル1棟を犠牲にする騒ぎとなった。

名探偵である彼がいたことによりこれでも被害は『最小限』に収まっており、けが人はいるものの人命に被害が出ていないのは幸いと言っていい。

 

(まぁ、工藤くんに加えて赤井さんと降谷さんまでいたんだもの…当然の結果といえばそうかもね)

 

野志保は爆破の塵と埃に塗れながら高い空を仰ぐ。着ていたワンピースは所々擦り切れていて、汚れてないところがないほど見るからにボロボロだったが、彼女にも怪我らしい怪我はなかった。ピアスを片方無くしてしまったが、お気に入りだったことを悔やむくらいの余裕がある。

彼らがいたから最小限の被害で済み、犯人確保にまで至ったのだ。ただ、彼らがいたからビル一棟を爆破する騒ぎになったことは否めない。

 

(派手な事件を引き寄せる豪華メンバーって所かしら)

 

まるで有名なハリウッド映画みたいな。

 

そう考える志保もそのメンバーの1人だが、決して華のある役ではないと思っている。

紅一点、色を添えるかヒロインになれればよかったかもしれないが、科学者としてその頭脳を遺憾無く発揮し、色気なくITテロの拡大を防いだのは他ならぬ志保だった。

自分の仕事をきっちりとこなしたことに後悔はないが、可愛げがないことも自負している。しかし彼らの足を引っ張る気はサラサラないのだ。彼らのそばにいて、守られるだけの女の子でいる気は毛頭無い。

命を預ける以上、自分も命を預けてもらいたい。こういう時、自分が男だったらうだうだと考えずに済むのにと毎度感じてしまう。逞しい体躯、気を遣われない仲、同じ目線、煩わしく考えないでいられる真っ直ぐな心。工藤と赤井と降谷にあって自分にはないもの。

 

(勝手な僻みよね。女だからって全てがそうじゃないのに)

 

かと言って決して彼らにそれを口に出して喚いたりはしない。運命共同体なことは確かで、彼らが自分を信じていることもゆるぎない真実だ。

 

(別に、疑ってもいないけれど)

 

18歳になるまで『仲間』と呼べる人間関係を知らない志保にとって、今の関係は十分すぎるくらい贅沢だと思っている。

安心というのは信頼から来るのだ。彼らはそれに値する。いつだって私を信じて頼ってくれたじゃない。私がそうなように。だから自分は今こうして生きているわけだし。

 

在りし日の組織との戦いを思い出す。そんな遠い過去ではないはずなのに、セピア色に霞むくらい昔の事のように感じる。憎い男につけたられた肩の銃創の生々しさだけがなんだかとても浮いて見えるくらいだ。

 

(きっと一生消えないのにね)

 

そんな感傷に浸っていたけれど、今はそれどころではない。

嗚呼、後ろの(いや、もう隣の)男の気配に潰されてしまいそうだ。

その男─赤井秀一は志保にとっては様々な関係名がある。が、どれをとってもしっくりくるものはない。従兄弟、命の恩人、かつての組織のメンバー、姉の元恋人…

保護者、兄替わり、父替わり…それから

 

「全て片付いたら、と約束したな」

「約束…したかしら?」

「否定してないものを肯定と取るのは間違っていないだろう?」

 

怒ってる訳では無いが、気は立っている。

これだけの事件のあとだ。アドレナリンが出ているのだ。

そうでなくとも男が志保に向ける感情は平素荒々しいものだった。普段は上手く平穏を装ってはいるが、その実煮え滾るような思いを抱えているのが赤井秀一という男だ。

 

(何度か危ない目にあったし、それをこの人は目の前で見ている。彼が救ってくれてるから余計…)

 

今すぐにでもという気迫が志保の肌をビリビリと這う。どうしよう、うごけない。逃げてしまいたいのに。

 

(逃げたって、地の果てまで追いかけられるんだから無駄よ)

 

私が私に耳打ちする。

 

嫌なわけじゃない。だけどその一心を受け入れるだけのキャパシティが志保にはないのだ。

 

…その、主に体力的な意味で。

 

「さぁ、志保帰ろうか」

 

彼が煙草の火種をガレキに押し付けて消す。

腰に手を回して、警察の聴取から逃れるつもりだ。

赤いマスタングは無事みたい。

嗚呼、私どうなっちゃうんだろう。

 

「家まで我慢出来そうもないかもしれんな」

 

彼が助手席を開けながら言った。

 

 

おわり

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書こうとした話がわからなくなってしっちゃかめっちゃかした。何を書きたかったか思い出せない。

キャパ以上に風呂敷を開きすぎるな!

降谷を出す予定が出てくる隙がなかった。

出てたら志保は無事だったかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おっぱいの話】

赤井秀一を構成するもの。
煙草、ウィスキー、ライフル、朝晩のコーヒー、 その他惰性の習慣とやめ時がわからないルーティー

それから彼女─宮野志保。

「随分とご執心ね」
「んむ…」

返事なのかうなり声なのか、 意図して出たのだから確かに相槌にはなっていたが、 肯定か否定かは赤井にもよくわからない。
赤井は今、やれやれとした彼女、 宮野志保の豊かな二つの膨らみに顔を埋めている。 豊かな二つの膨らみというのは、アレだ。 女性の体を以て表されるもので恐らく一番に上がるであろう、 お察しの通り乳房だ。有り体に言えばおっぱいだ。 彼女のこれがなかなかに豊かで、 ふかふかという表現が正しいと言うべきなのだろうか、いや、 ぷるんぷるんでもあるしムニムニでも間違いではない。 マシマロと言われればそれだ!と手を叩くし、 果汁滴るメロンだろう?と言われれば確かにと頷くばかりの、 それはそれは最高に魅力的な膨らみなのだ。 夢とロマンとエロスが詰まった溢れんばかりの見事なおっぱいを誰 にはばかられるでもなく揉みしだいている。(推定Fカップ
さて、昔から赤井がおっぱいが好きだったのかと言えば、うむ、 否定ができない。確かに好きではいた。好きではいたのだが、 しかし今のような状況になる程ではないと赤井自身も記憶している 。好きかと聴かれたら「of course!」と答えるくらいには好きではあったし、 それは今も変わらない。だが、 おっぱいに激しく反応するボウヤの時期はとうに過ぎていたし、 女体に過敏になるほどうぶでもない。 それなりにおっぱいには馴れていたし、 母性からくる神秘や執着も理解していた。 男なのだから好きで当然だ。そう思っていた。

それがどうだ。今になって「俺はもうおっぱいから離れられない。 おっぱいがなくては生きていけない」 という嘆かわしい事態に陥っている。しかもそれが誰でもいい・ どんなおっぱいでもいいと言う訳ではなく、彼女、 宮野志保ただ一人その人のおっぱいにだけ向けられてしまっている のだから手に負えない。

今一度彼女のおっぱいについて話そう。
彼女の、志保のおっぱいは柔らかくて暖かい。 顔を埋めると確かに包み込まれるようにふっくらとしているのに、 吸い付くようなしっとりとした滑らかな潤いがある。 その豊かさから重力に抗えないかと思えば弾力があり、 若さの為それに反する力でしっかりと丸い形になっているのだ。 例えるのは本当に難しい。 逆に焼きたての食パンが本当に素晴らしい出来だった時、「 まるで志保のおっぱいのようだ!」と言われたら「 そいつは余程素晴らしい出来なのだろう!」 と思えるくらいなのだ。 つまり彼女のおっぱいを例えに素晴らしさを表現できても、 彼女のおっぱいの素晴らしさを例えるものが今のこの世の中にはな いのだ。待て、 なぜパンを作った貴様が志保のおっぱいの素晴らしさを知っている んだ?オイ、少し話が…とかなんとか。

とにかく赤井秀一は宮野志保のおっぱいに夢中なのだ。 勝手な想像と例え話に悋気してしまうくらいに。

「いつまでそうしている気かしら?」
「…」
「ねぇ、聴いてる?」

聴いている。でもいつまでかは答えられない。「後少し」とも「 まだまだ全然」とも言えない。 彼女に無理矢理剥がされたとしても恐らくやめられない。 だから黙秘権を行使する。
ソファーに横たわる志保はフンと息を吐く。 動けない上にどうすることもできない。 唯一出来るのは手を動かすことだけだった。 テレビのリモコンに手が届いたのでテレビをつけるが先程リモコン を奪われ電源を切られた。 手近な雑誌を読んでみたけれどそれももう手の届かない場所にある 。正にお手上げ。 後はこの抱き締めて離さない悪人面したテディベアがどうするのか 経過を見守るしかない。
どうしたものか。 甘えるのはいいにしてももう少し何かないのだろうか。 それも億劫なのかはたまた顔を埋めるのに夢中なのかどちらにした ってそろそろ飽きてもらわないとどうにもならない。

(軽く暇ね…)

おっぱいを揉んで楽しいのは彼だけなのだから、 私の暇つぶしを奪わなくてもいいじゃない。 この状況を仕方ないにしても許容してると言うのに。 自分に出来ることといえばそんなおっぱいに夢中な彼を観察するこ としか出来ない。

飼い主に吸われる猫ってこんな気持ちなのかしらね。 明確な欲情も感じないこの行為をどうやり過ごせばいいか、 志保は毎度悩まされている。

手を使って持ち上げたり揉んだり。 手に馴染むのか回してみたりもしている。 横になっているので流れる胸を手で寄せて谷間を作ってガフッと言 ったかと思えば顔を埋めてそのままだ。 最初こそくすぐったくて抵抗したりもしたが、 落ち着く場所を見つけたのか顔を埋めたっきりの赤井を見て、 志保は力を抜いた。

(いきなり来るなりシャツ剥いで、ブラジャーずらして、 何の説明もなくそのままおっぱいに埋まるって赤ちゃんじゃない… )

いや、まだ赤ちゃんのがいい。 お腹が空いているのかだっこして欲しいのか汲み取れる。 それが彼らの中の最高な欲求で仕事なのだから。

 


(赤ちゃんができたらどうなるのかしら…なんてね)

 

 

 

当初は志保も彼なりの甘え方なのかもしれないと一回り離れたこの 男を可愛いと思ったりもしたが、 今となってはあの時許したままにすべきではなかったなと少しばか り後悔している。

 


強面の癖に志保に拒絶されると雨の日に捨てられた子犬のような顔 をするのだからたまらない。

 


(ほんと、ずるいわ)

 

おわり

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オチない

だいぶ前に書いていたものに加筆したもの

おっぱいもむ攻めがすきだから書いちゃうんだな

読み返してもするする読めたから昔の私、文才あった

えっちはしたりしなかったり

 

 

 

絵や漫画にしたくなったら描きます。

文章にしたいときと絵にしたい時ある。

小説は何度も直すのがしんどいので気分がのらなきゃ書けないね…

人様の書いたやつがやっぱ一番だぜ…

もひとつ書きたいネタあるのでそれはまたいつか書く。書けたら書く…書きたいとこだけ書く…

修正するかもしれないが、特に小説格納する場所ないしな…

まぁ、楽しんでくれたら嬉しいです。

 

ありがとうございました!